勝つために「97%後払い」 アタマの中身も米国人仕様で臨む前人未到の新たなステージ
華々しい活躍で世界を沸かすドジャース大谷翔平(29)。
日刊ゲンダイが過去に連載した「秘話 大谷翔平『二刀流の血脈』」を、大谷の自信、気質、アタマの3点に焦点を当てて再編し、その軌跡を紐解いていく。(第7回からつづく)
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そんな大谷が世界の頂点に立ったのが23年のWBCだ。投げて打って日本代表を牽引、大会MVPを獲得した。決勝の米国戦の九回にリリーフ登板。2死から同僚のトラウトを三振に打ち取った直後、帽子とグラブをぶん投げて喜びの感情を爆発させた。大谷があれだけ感情をあらわにしたのはかつてなかった。
WBCで得た勝つ喜びは、オフのFA移籍を後押しした。エンゼルス時代に二刀流として確固たる地位は築いた。投打ともトップクラスの選手として認知され、アジア人初の本塁打王に。2度目のMVPも満票で獲得した。「人がやらないこと」を体現したものの、6年間はプレーオフどころか勝ち越しすらなし。WBCで勝つ味を知った大谷が勝利を求めたのはある意味、当然の帰結だった。