西武ドラ1武内夏暉が完封目前で緊急降板…名球会OBが「故障リスクが増す」と怒る選手とベンチの無為無策
スタンドでは、何人もの西武ファンが祈るように両手を合わせていた。
19日のソフトバンク戦の九回。八回まで強力ホークス打線を4安打無失点に抑えていた西武先発のドラ1左腕・武内夏暉(22)が、プロ初の完封勝利を目前にして突然、マウンドを降りたのだ。
先頭の周東に右前打を許し、打席に代打の中村晃を迎えた場面。一塁にけん制球を投げた直後、武内が異変を訴えるようなシグナルを送ると、慌てて駆け寄った豊田投手コーチとトレーナーに伴われて、ベンチ裏に姿を消した。数分後、松井稼頭央監督がアブレイユへの投手交代を告げた。
試合は、そのアブレイユが2安打1四球2失点の乱調でサヨナラ負け。試合後、武内の降板理由が「ちょっと左脚につりが出た」(松井監督)ことだと明かされた。
通算2081安打の西武OB、評論家の山崎裕之氏がこう言う。
「今回の武内のアクシデントが大事に至らなかったとしても、心配は尽きませんよ。とにかく、打線の力不足、ベンチの無策がひどすぎる。武内は球界を背負って立つだけの逸材だと評価していますが、これだけ援護がなければどうしたって力が入る。当然、心身の負担は増します。故障のリスクも増してしまう」