サンテティエンヌではライバルに「オレがいる限り絶対に試合に出られない」といきなり啖呵を切られた
■日本人は欧州2つ目の移籍先で苦労する
まさに戸惑いの連続。そんな状態のチームが勝てるはずがない。サンテティエンヌはリーグ序盤3カ月間、まったくと言っていいほど勝てなかった。松井自身も念願のEL(欧州リーグ)参戦を果たし、バレンシアやブレーメンに挑むチャンスを得たが、出番を得たのは後半になってから。
「欧州挑戦に踏み切った時から、欧州の(CLやELの)舞台に立つのが夢だったのに、こんな状態で使われるのは本当に悔しくて切なかったですね」と複雑な胸中を吐露する。それでも11月にルセイが更迭され、新たにペラン監督が就任。取り巻く環境も改善されつつあったが、ルマン時代のような輝きを放つことはできなかった。
「デルニスは干されたけど、自分より少し早くサンテティエンヌに移籍していたベルギー人のミララスがいて、思うように出番は巡ってこなかった。彼はその後、エバートンにステップアップ。確かに能力は高かった。定位置争いは、本当に熾烈で苦しかったですね」
同シーズンの目覚ましい成果は、モナコとの試合で「超ロングシュートを決めたことくらい」と振り返る。