実父が語る石川佳純 好感度抜群の秘密「人間関係は上手ですよ。世渡り上手っていうのかな、その辺は私に似てますね」
パリ五輪では大会に出場するアスリート以外でも注目を集める人物がいる。日本女子卓球界の元エース、石川佳純さん(31)だ。
3大会連続出場した五輪では、2012年ロンドン大会女子団体での銀メダルを皮切りに、16年リオ大会女子団体で銅メダル、21年東京大会女子団体でも銀メダルを獲得した。昨年5月に現役を引退し、今回のパリ大会では本格的にスポーツキャスターデビューする。フジテレビで五輪中継のスペシャルキャスターを務めるのだが、早くも前評判は上々だ。世間ではスポーツバカみたいな“テング”が多いが、石川さんはクレバーで、対人関係にも気を配る。誰からも人気があって、好感度は抜群だ。その秘密はどこにあるのか。やっぱり、育て方が違うのか。
父親の公久さん(60)は読売広告西部で専務まで上り詰めた。読売広告西部の社長は親会社の読売新聞から天下ってくる。つまり、公久さんはプロパーでの出世頭だ。「要領がよかっただけ」と謙遜するが、その一方で、「多くのクライアントさんに可愛がっていただいた」ととても謙虚だ。こうした父親の背中を見て、石川さんも育ったのだろう。
「佳純には怒ったことがありませんね。ま、コーチ役だった女房が怒るので、2人で怒っちゃいけないかなと。父親は海のような存在? まあ、そうかなあ。でも挨拶はやらせました。おはようございます、練習お願いします、ありがとうございます。あとは四天王寺の先生が厳しかったと思いますね」
石川さんは山口県の小学校を出ると、親元から離れて、大阪の四天王寺羽曳丘中学校に進学、同時にミキハウスJSCに所属し、大嶋雅盛監督に鍛えられた。ミキハウスの卓球場は大嶋監督の「五輪選手を育てたい」という要望に木村皓一社長が応えて、つくらせたものだ。
「親としては大阪に出すのは不安でしたが、本人がやりたいというんで。無理やりスパルタで放り込んだわけではありません。卓球を始めたのも本人の希望。国体に出ていた母親の姿を見て、“私もやる”となったんです。女房は娘のために練習時間を割かれるので、当初は面倒だと思っていたくらいです」
育て方はどちらかといえば、本人のやりたいことをやらせるのびのび教育だ。バレエや公文、水泳など、「やりたい」と言うものは「みんなやらせた」という。そのうえで中学校時代からの寮生活。それらが石川さんを人間として成長させた部分でもあるようだ。
「人間関係は上手ですよ。世渡り上手っていうのかな、その辺は私に似てますね」
石川さんの地頭の良さにも感心する。中国語はペラペラだ。