“卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」
石川公久さん(石川佳純さんの父)
いよいよ始まる、パリ五輪。メダルの行方もさることながら、話題のひとつはフジテレビ五輪中継のスペシャルキャスターに抜擢された石川佳純さんだろう。卓球の女王からの“転身”が注目されるのは、ほかのアスリートとは違う“華やかさ”や“聡明さ”“コミュニケーション力”を感じるからだ。どんな育て方をしたのだろうと、父親の公久さんを訪ねた。
公久さんの勤務先は読売広告西部。読売新聞グループだ。先月、専務取締役に昇進した。
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──ご昇進、おめでとうございます。佳純さんの遠征、応援などで大変なのに仕事ともきっちり両立されていたんですね。
いえいえ、ただ要領がいいだけです。それと私は広告屋ですから、人に会うのが好きなんですよ。得意先にも気に入っていただきました。
──でも、きつかったでしょ?
佳純が小さいころは仕事が終わってから練習相手を務めました。試合に出るようになったら、遠征ですね。結構大変でしたが、子どもの夢をかなえるために努力していること、応援する喜びの方が大きかったですね。
──ほとんど休みなしじゃないですか?
佳純がある程度、勝ち出してから、私も女房も佳純のための生活になりましたね。この日は広島で練習試合がある、翌日は岡山。そうなるときっちり、連れていくわけです。そうしているうちに、私の両親も、女房の両親も応援に来るようになった。両家の家族がこぞって佳純の応援に行く。あの子には、そうした人を惹きつける魅力がありましたね。
──その魅力の秘密を伺いたいんです。卓球の強さはもちろんですが、それだけじゃない。“華”というか好感度っていうのか。優秀なアスリートでも、卓球バカ、野球バカみたいな人はいる。全然違いますね。
今年の春にNHKの「ファミリーヒストリー」に出させていただいたんです。それをきっかけに、私と女房の親戚が60人くらい集まる会をやったんです。もちろん、初めて会った人もたくさんいたんですが、そういう中で佳純はとても上手に対応するんですね。「写真撮って」と言われたら「あーいいですよー」って。天性の明るさというか、コミュニケーション力があるなと思いました。