“卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

公開日: 更新日:

石川公久さん(石川佳純さんの父)

 いよいよ始まる、パリ五輪。メダルの行方もさることながら、話題のひとつはフジテレビ五輪中継のスペシャルキャスターに抜擢された石川佳純さんだろう。卓球の女王からの“転身”が注目されるのは、ほかのアスリートとは違う“華やかさ”や“聡明さ”“コミュニケーション力”を感じるからだ。どんな育て方をしたのだろうと、父親の公久さんを訪ねた。

 公久さんの勤務先は読売広告西部。読売新聞グループだ。先月、専務取締役に昇進した。

  ◇  ◇  ◇

 ──ご昇進、おめでとうございます。佳純さんの遠征、応援などで大変なのに仕事ともきっちり両立されていたんですね。

 いえいえ、ただ要領がいいだけです。それと私は広告屋ですから、人に会うのが好きなんですよ。得意先にも気に入っていただきました。

 ──でも、きつかったでしょ?

 佳純が小さいころは仕事が終わってから練習相手を務めました。試合に出るようになったら、遠征ですね。結構大変でしたが、子どもの夢をかなえるために努力していること、応援する喜びの方が大きかったですね。

 ──ほとんど休みなしじゃないですか?

 佳純がある程度、勝ち出してから、私も女房も佳純のための生活になりましたね。この日は広島で練習試合がある、翌日は岡山。そうなるときっちり、連れていくわけです。そうしているうちに、私の両親も、女房の両親も応援に来るようになった。両家の家族がこぞって佳純の応援に行く。あの子には、そうした人を惹きつける魅力がありましたね。 

 ──その魅力の秘密を伺いたいんです。卓球の強さはもちろんですが、それだけじゃない。“華”というか好感度っていうのか。優秀なアスリートでも、卓球バカ、野球バカみたいな人はいる。全然違いますね。

 今年の春にNHKの「ファミリーヒストリー」に出させていただいたんです。それをきっかけに、私と女房の親戚が60人くらい集まる会をやったんです。もちろん、初めて会った人もたくさんいたんですが、そういう中で佳純はとても上手に対応するんですね。「写真撮って」と言われたら「あーいいですよー」って。天性の明るさというか、コミュニケーション力があるなと思いました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • その他のアクセスランキング

  1. 1

    日本の「お家芸」はなぜ大惨敗だった?競泳&バドミントンは復権どころかさらなる凋落危機

  2. 2

    ブレイキンの意外な金銭事情…トップはどれだけ稼ぐ? 国際大会V賞金、スポンサー料、指導料は?

  3. 3

    日本にカネがない!28年ロス五輪躍進に早くも暗雲…スポンサー離れ加速、競技団体は火の車

  4. 4

    不手際連発の水連にうんざり?日本トップスイマー相次ぐ海外逃避…「アスリートファーストではない」と批判噴出

  5. 5

    夏季五輪からマラソン消滅も…世界陸連コー会長がIOC会長選へ出馬意欲、“大改革”に現実味

  1. 6

    伊藤美誠がパリ五輪シングルス代表絶望で号泣…中国も恐れた「大魔王」はなぜ転落したのか

  2. 7

    IOCにケンカを売った世界陸連の至極まっとう ロシア選手の競技復帰勧告をキッパリ拒否

  3. 8

    やり投げ金メダル北口榛花 日大時代の監督に聞いた「寝転がってカステラをパクリ」に見た強さ

  4. 9

    《東京が懐かしい》と選手悲鳴、地獄の選手村の実態…冷房なく「死ぬほど暑い」から窓を開ければ大量の虫

  5. 10

    室伏広治スポーツ庁長官がブレイキン女王AMIを“バカにして”大炎上!「即刻、辞任を」と専門家

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  2. 2

    これも防災対策のひとつ? 「ソーラー充電器」は買っても秘密にしておけ

  3. 3

    加橋かつみさんが憧れたストーンズ「サティスファクション」はザ・タイガースの原点でもある

  4. 4

    TOBE人材難とNumber_i全米成功に疑問符…なぜジャニー喜多川氏の性加害が足かせなのか

  5. 5

    週刊誌2誌で評価は真っ二つ…悠仁さまがそれでも「東大に合格」できる仕組み

  1. 6

    Number_iに囁かれるキンプリ遺産の食い潰し…サマソニで持ち歌少なくデビュー曲を2回披露

  2. 7

    高野連を直撃「甲子園でリクエスト制度なぜ導入されず?」

  3. 8

    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

  4. 9

    「ブラックモンブラン」竹下製菓が最大の危機に…事業拡大の矢先、右腕の夫と会長の父に先立たれ

  5. 10

    阪神岡田監督の去就を左右する親会社、後継者事情、健康問題、糟糠の妻・陽子夫人