巨人・浅野翔吾「覚醒の要因」…激辛の阿部監督ですら骨抜き《こういう子が一人でもいないと》
「個人的に彼にはスターになってほしい」
時にべらんめえ口調で選手を突き放す巨人の阿部監督をして、こう言わしめた。先月21日の広島との首位攻防戦で、高卒2年目の浅野翔吾(19)が逆転勝利を呼び込む同点タイムリー。指揮官はこうも言っていた。
「打席に入ったときの表情だったり、素晴らしいなと思って見てる。戦ってる姿勢が僕にはよく映る。こういう子が一人でもいないと。個人的に彼にはスターになってほしいので、その期待を込めてずっと使っています」
優勝争いが佳境に入る中、8月17日からスタメン出場を続け、9月16日の中日戦ではついに5番に昇格。8月の月間打率は.348、9月に入って.204と落ち込んでいるが、それでも阿部監督は使い続けている。
さる巨人OBが、「今季は開幕一軍に抜擢されながら、9打数無安打と結果を出せずに、4月8日に二軍落ち。4カ月の二軍生活を経て一軍に戻ると、首脳陣は驚いたそうです」とこう続ける。
「不得手だったバントや進塁打をきちんとこなせるようになっていただけでなく、狙い球を絞って打つ意識が出て明らかに打撃の質が変わった。二軍降格の際、阿部監督から与えられたという『相手の配球や投手の心理を考えた打撃をしないと難しい』との宿題をしっかりやったわけです。聞けば、二軍では誰よりも早くグラウンドに来ては自主練をし、二軍落ちした坂本勇人に臆することなく近づき、練習の意図や打席での考え方を質問攻めにしていたとか。そういう姿勢を阿部監督は評価し、結果にもつながっている。コーチのアドバイスに耳を傾けるだけでなく、それを実践するために何が必要かを自分で考え、工夫する。DeNAの宮崎の体の使い方、タイミングの取り方を参考にしているのもそう。自分で考えることができる頭、それが浅野の一番の長所だとチーム関係者はベタ褒めです」