PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密
PL学園の選手が甲子園での試合中に胸に手を当てているシーンは有名だ。桑田真澄さん(巨人)も清原和博さん(西武)もやっていて、子供ながらにマネをしたものだ。
実はPL学園の生徒は全員「アミュレット」というお守りを首からかけていて、試合だけでなく、練習、授業、私生活の時間も、一日中、身に着けている。試合中、打席に入る前、マウンドに立った際には、アミュレットをギュッと握り、祈りの言葉「おやしきり」と唱えている。神頼みではなく、そうしたルーティンを持っていることが大きいのだ。
試合中の大事な場面で、果たして打てるのか、この打者を抑えられるのか、そんなことを考えてしまうものだが、いつものルーティンを行うことで心が落ち着き、集中力が増すのだった。
「PLはデータ野球」と言われたが、中村監督は「相手のことより自分のチームの選手をよく知っておくことが大事」と言っていた。甲子園の大観衆の前でプレーするのだから、緊張や気負いがあって当然。選手のベストの状態の時と比べ、どこが良くないのか。今日は肘が下がっているとか、脇があいているとか、具体的にアドバイスをしてくれるから、修正しやすかった。
これがPL学園が強いゆえんだが、僕が在籍していた時代は立浪和義さんが主将として春夏連覇した1987年以来、甲子園から遠ざかっていた。そんな低迷期にチャンスが巡ってきた。