「凄母」佐藤 留美氏
■「企業の良かれと思う“配慮”が女性を二級市民化しています」
保育園の待機児童問題、支援制度の有名無実化など、働く母を取り巻く環境が相変わらず厳しいなか、山積する問題を知恵と工夫で乗り越え、仕事と育児を両立させている女たちがいる。
本書では、こうした凄腕マザーたちを「凄母」と命名。40歳過ぎに転職し国際事業部でデジタル戦略業務を担当する「資生堂の母」、プランナーとして国際賞を受賞する「電通の母」、第1子出産後に事業部長に上り詰め2人目不妊の治療にもチャレンジした「リクルートの母」、ブラジルへ子連れ赴任する「日産の母」など、11人の母たちの凄いサバイバル術を紹介している。
「凄母が所属する会社の共通項は、顧客に女性が多いこと、一度どん底に落ちた経験を持っていること、ITなどの新興企業であること、の3つ。それ以外の企業では『凄母』はまだ生息できないのが実情です」
■凄母たちのサバイバル術に学べ
現状では、毎年決まった時期に、同じような条件で働ける、同質の男性を一括採用する企業がほとんど。それは大量生産・大量消費の時代には合致していたが、いまのように変化の激しい時代に、平均的な人材が何人増えても新しいアイデアは生まれにくい。