「逆境経営」桜井博志著
■地酒「獺祭」の経営哲学
著者は、昨年、純米大吟醸の出荷数量で全国トップとなった「獺祭(だっさい)」を造る酒蔵の社長。山口県の山奥の倒産寸前だった会社が、世界20カ国に進出、今春にはパリの一等地に店をオープンさせるまでに成長したその経営法を公開するビジネステキスト。
1984年、父の急逝で会社を受け継いだ氏は、小さな酒蔵であることを強みにしようと、小規模な仕込みでないと造れない純米大吟醸酒に特化。酒造りを杜氏に任せず、技術情報を自分が集め、それを杜氏に実行させる異例の生産体制の確立を図ったという。一家心中さえも頭をよぎったという苦境をチャンスに変え、獺祭をつくり上げ世界中に広めたその経営哲学に学ぶ。
(ダイヤモンド社 1500円)