また、老人問題もある。1950年代、日本人の平均寿命は男性が58歳、女性が61歳だった。ところが今、それは男女ともに80歳を超えている。1950年代は子が定年を迎える頃には親が死んでいたのに、今では定年を迎える頃から親の介護が始まるわけだ。介護付き有料老人ホームに入居する場合、一時金だけで数百万円かかる。夫婦の両親を合わせれば、いったいいくらの金が必要になるのか頭が痛い。
この危機を突破する方法はひとつ。定年後も働き続けるしかないと本書。幸いなことに、高年齢者雇用安定法の改正で、60歳を越えても働ける場所は増えている。ベルエポック世代に“隠居”の2文字はないのだ。