「1950年代生まれの逆襲」福井次郎著
■ベルエポック世代に「隠居」なし。生涯働き続けるしかない!
1950年から1959年生まれで現在存命する日本人はおよそ1680万人。彼らは、日本がもっとも繁栄を謳歌した時代に青春を生き抜いた、日本史上まれなる幸福な世代だ。
しかし今、そんな彼らに試練のときが訪れようとしている。福井次郎著「1950年代生まれの逆襲」(言視舎 1400円)では、迫りくる危機の正体を明らかにしながら、突破の方法を模索していく。
本書で「ベルエポック世代」と命名された彼らは、人生を気持ちよく走り抜けてきたが、ゴール間近で大きな落とし穴が待っていた。
そのひとつが、若者問題だ。現在、ベルエポック世代の子供もしくは孫にあたる15歳から34歳までの年代で、自立して生計を営めない者が1490万人もいる。また、2013年に大学を卒業した56万人のうち、安定雇用に就けなかった者は約12万人。30代前半の男性の5割、女性の約4割が未婚というデータもある。将来に不安を抱えた若者の増加は、ベルエポック世代にとって援助という名の負担となって重くのしかかる。