「海よ、やすらかに」喜多嶋隆著
■シロギスの大量死に隠された陰謀
ハワイ大学海洋生物研究所の研究員で魚類保護官でもある浩美に、実家のある藤沢市の市役所から協力要請が舞い込む。片瀬海岸に大量死したシロギスが打ち上げられているというのだ。原発事故の影響が心配されたが、水産技術センターで検査しても原因は分からないという。市役所の担当者に泣きつかれ帰国した浩美は、海に出て調査を続けるが、シロギスの死因は分からない。そんな中、水産技術センターの職員が極秘に浩美に接触してきた。彼の話に疑問を抱き、センターに忍び込んだ浩美は、検査のためにセンターに運び込まれたシロギスが、浜辺に打ち上げられたものと別物だったことを知る。
日本の漁業と食の問題に迫る海洋サスペンス。
(KADOKAWA 1600円)