利き酒師・酒ジャーナリスト山同敦子氏に聞く
日本酒は造り手のキャラを楽しむ時代に!
ビールにワイン、チューハイもハイボールもおいしいけれど、ここはニッポン、日本酒がピッタリの料理や雰囲気がある。ここ数年は、従来の「日本酒」のイメージを打ち破る新しいお酒が出現しているという。「めざせ!日本酒の達人」(筑摩書房 940円)を刊行した酒ジャーナリスト・山同敦子氏に、日本酒の味わい方、そして夏におススメの銘柄をお聞きした。
「今の日本酒は造り手の世代が代わったんです。イタリアンも中華も食べる、都会暮らしも経験した若い跡取りたちが、自分たちがおいしいと思うお酒を、気合をこめて造るようになりました。すると、アーティストじゃないけれど、造る人のキャラが立ちます。大手酒造会社の均等な品質の良さもありますが、もっと個性的な、ある意味では好き嫌いの分かれるお酒が出てきたんです」
背景には、技術力の進歩もある。麹づくりや発酵、熟成での温度管理、吟醸酒を造るために米を磨く(削る)技術の精密化など、バイオテクノロジーの世界だ。加熱消毒や保管、輸送においても冷蔵が可能になった。
販売する側でもユニークな品揃えの店が現れた。今回の取材で待ち合わせた東京・新橋にある「朧酒店」もそんなお店のひとつだ。