「快感回路 なぜ気持ちいいのかなぜやめられないのか」デイヴィッド・J・リンデン著、岩坂彰訳
人間の快感と、そのダークサイドとしての依存症の神経学的メカニズムを解き明かした科学ノンフィクション。
オーガズムや買い物、ギャンブル、儀式の祈りなどがもたらす快感は、脳の中で互いにつながり合ったいくつかの決まった領域へと収束する神経信号を生み出す。この一群の脳領域は、内側前脳快感回路と呼ばれ、人間の快感は、この小さなニューロンの塊の中で感じられているそうだ。依存症はこの回路内のニューロンやシナプスの機能の長期的変化に関係しているという。さまざまな研究や実験の知見を紹介しながら、セックスやドラッグ、高カロリー食、ギャンブルがもたらす快感と依存症の仕組みに迫る。
(河出書房新社 830円)