「新しい、美しい ペンギン図鑑」テュイ・ド・ロイ+マーク・ジョーンズほか著 上田一生監修・解説
研究者に同行した本格的な調査活動の中でしか撮影できない写真と、大勢の専門家による最新情報を網羅した、見て、読んで、楽しいペンギン図鑑の真骨頂。
世界には18種類のペンギンがいて、そのすべてが南半球に生息している。とびっきりのペンギンナチュラリストの著者3人が20年かけてその各生息地をめぐり、撮影してきた写真を収録する。
多くの人がペンギンといえば南極の氷の世界を思い浮かべるだろう。実は南極大陸とその近くにコロニーをつくるのはわずかに4種類のみ。その1種アデリーペンギンは最大で100万羽のコロニーをつくるが、厳寒期には寒さから逃れるために数千キロ離れた流氷へと大移動を繰り広げる。対照的にエンペラーペンギンは、冬に南を目指し不安定な凍った海の上で卵を産み育てる。また、年間を通して繁殖するキングペンギンの両親は、冬場えさを求めて大移動をするため、数カ月間もヒナだけで過ごすという。
一方、ペンギンの中で最も出合うのが難しいのは、赤道に近いガラパゴス諸島に暮らすガラパゴスペンギン。体長35センチ、体重が2キロと2番目の小ささで、現在2000羽ほどしかいない。