「ラスト・ワルツ」柳広司著

公開日: 更新日:

 帝国陸軍の伝説的なスパイだった結城中佐が設立した陸軍秘密諜報員養成所(D機関)で教育された異能の若者たちが世界各地で暗躍するスパイ・ミステリー「ジョーカー・ゲーム」シリーズの最新第4作。第1作を原作とした映画「ジョーカー・ゲーム」も現在公開中。

 特急〈あじあ〉号の車内で情報の受け渡しをするはずだったロシア人が殺されていた。殺ったのはソ連の秘密諜報機関〈スメルシュ〉だ。密室状態の列車内で諜報員の瀬戸はスメルシュと死力を尽くして対決する。(「アジア・エクスプレス」)

 華族出身で陸軍中将夫人の顕子は米国大使館主催の仮面舞踏会で、かつて不良たちに襲われたところを助けてくれた男を捜していた。いつかダンスをすると約束していたのだ。そして現れた男の真の目的は……。(「舞踏会の夜」)

 駐独日本大使館の情報漏れのルートを遮断するべくドイツの映画撮影所に潜入した雪村は、ナチス宣伝相ゲッベルスと遭遇。雪村はそこである画策をする……。(「ワルキューレ」)

 巻を追うごとに熟成の度を深めていく。今後も期待。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出