「セックスと恋愛の経済学」マリナ・アドシェイド著、酒井泰介訳
もし自分の娘の貞操を守りたいと考えた場合、どんな大学に入学させるべきだろうか。答えは、男子学生の“多い”大学。アメリカの社会学者の調査によると、男子学生の多い大学では、女子学生の69%が処女であるのに対し、男子学生の少ない大学では、これが54%まで減るという結果が導き出されたという。
逆のようにも思えるが、大学に女子が多い場合、セックスに関しては男子の方が優位な買い手市場になる。つまり、女子は数少ない男子をモノにするためにセックスに積極的になり、男子は複数の女子とヤル機会に恵まれる。逆に、男子ばかりの大学では、数少ない女子が主導権を握り、セックスを待たせることもできるわけだ。
マリナ・アドシェイド著、酒井泰介訳「セックスと恋愛の経済学」では、男女関係に関する行動データをミクロ経済学的視点から分析。セックスと恋愛を巡る興味深い新常識を導き出している。
不倫の説明に経済学的視点を用いると、人が伴侶を裏切るのはそのメリットが期待費用を上回るためだと考えることができる。裏切りの期待費用は、「露見する確率×露見時の費用」で求めることができる。露見する確率は個々で違い、出張などの機会がある働く主婦は、専業主婦よりも不倫がバレる確率は低い。また、不倫の末に別居や扶養料がもらえないという事態に陥ったときも、経済的に自立している働く主婦は、専業主婦に比べて失うものが少なくて済む。