イスラエルで生まれたドローンの発想
ところが、カレムによるUAVのアイデアはイスラエルで受け入れられず、失意の中でアメリカへ移住。航空宇宙産業が巨大なアメリカで、UAVの技術を生かした起業を決意する。これが、ドローン誕生の始まりだった。
本書には、「必要は発明の母にして、戦争は必要の母である」という言葉がつづられている。2001年、アメリカで同時多発テロが起きてから2カ月後、アフガニスタンでは「プレデター3037」という名のUAVが、当時アルカイダのナンバー3であったモハメド・アテフを殺害している。以降、UAVの開発は加速度的に進んでいる。今後、UAVの存在は日本の安全保障環境にも大きな影響を与えると本書。巻末には、元外務省主任分析官の佐藤優氏の解説付きだ。