日本史トリビア編
「昭和史の現場」太田尚樹著
昨年、開業100周年を迎えた東京駅。1921年、総理大臣・原敬の刺殺現場となったのは、丸の内南口改札付近だった。現在、その床に小さな白い六角形の石を埋め込み、「原首相遭難現場」としている。同様に中央通路案内係近くの床にも小さな大理石を埋め込み、1930年の「浜口首相遭難現場」としているが、実際にはその真上の、東海道線の熱海・修善寺方面行き列車が発車する10番線で事件は起きた。時の権力者がこんなありふれた場所で暗殺されるというのは意外だが、往来の激しい現場に立てば、まさにそこに駅の死角があったと首相襲撃の成功に納得がいく。
東京を舞台にして起きた6つの事件の現場に立ち、真相に迫る。(青春出版社 890円+税)