人類永遠のテーマ「夫婦」の物語
「あい 永遠に在り」髙田郁著
上総の寒村で農家の三女に生まれたあいは、幼いころから糸を紡ぐのが上手で、伯母の年子に機織りを学ぶ。18歳になったとき、年子夫妻の養子・関寛斎に嫁ぐ。嘉永5年、佐倉で医術を学んでいた寛斎は、結婚を機に村に戻り開業するが、医院は開店休業状態が続く。師の勧めで銚子に移った2人は、貧しい者からは治療代も取らず、自らは質素な生活を貫き、人々の信頼を得る。
やがて寛斎は、地元の名士・濱口の援助を受け念願の長崎への留学を果たす。
そして明治になり、患者に尽くす寛斎と誰よりも夫を理解するあいは、開拓地北海道を目指す。
幕末から明治へと激動の時代を生きた夫婦の愛と絆を描く歴史長編。
(角川春樹事務所 640円+税)