「『ななつ星』極秘作戦」西村京太郎著
捜査1課の十津川は、警視庁副総監の弥冨から、夫婦でJR九州が運行する豪華列車「ななつ星」の旅に参加するよう命じられる。理由も教えられず不審を抱く十津川に、弥冨は乗客28人全員をマークするよう指示する。3泊4日の旅の初日、集まった乗客を代表して台湾から参加した周が挨拶する。周の祖父は、1945年の戦争末期、蒋介石の指示で日中の和平工作に来日した繆斌だった。終戦後、繆斌は裏切り者として蒋介石に処刑されてしまう。周は祖父の名誉を挽回するため、旅行中に緒方竹虎の秘書の孫で外務省に勤務する及川らと意見を交わす予定にしていた。
歴史と旅が融合した新感覚ミステリー。(文藝春秋 820円+税)