「鈍行最終 気まぐれ列車」種村直樹著
昨年亡くなった「レイルウェイ・ライター」の往年の作品を編んだ鉄道紀行エッセー集。
著者の旅は、旅程に縛られず、ぶらりと乗り降りしたり、思い立って行き先を変えてみたりの気ままなスタイルが信条。その原点ともいえるのが大学の卒業間近に中部地方をひとめぐりした1週間の旅だ。小学校からの腐れ縁の友人と1000キロ以上を乗り継ぎ、後に達成する国鉄全線乗りつぶしを意識し始めたという。
その他、鉄道100周年を記念して最南端の西大山駅から目指し、たどりついた最北端・稚内駅への旅など。70年代から80年代にかけての鈍行列車やローカル線の旅をつづる。
(実業之日本社 1800円+税)