ITにおいても産地と生産者の確認は必要
本書はLINEの「ヤバイ『稼ぐ力』」の実態や、広告業界で大注目を集めているといった「陽」の部分と、「LINEいじめ」「ID乗っ取り」といった「陰」の部分を解説する。そのうえで、著者が重視するのは一体LINEが国産なのか、韓国産なのか、といった点である。
LINE関係者は「LINEは日本製」と強調する。さらには日本経済新聞を含め、多くの日本メディアは「LINEは国産」といういったんの結論を出しているが、これが本当なのかどうかを、韓国取材の敢行によって明らかにする。
恐らく多くの人は「国産か韓国産か?」にはそれほどの関心は持たないだろう。だが、著者はこれがいかに重要かを述べるが、これは私も同感である。というのも、一部のメディアが「韓国政府がLINEのデータを傍受している」と報じ、LINEを危険視し、そこに嫌韓のネットユーザーが「ほれみたことか!」と乗っかり、叩く構図があるからだ。
ならば韓国産であることを前面に出すことには利点がない、と著者は書く。果たしてどちらなのかは本書を読んで確認いただきたいが、食べ物ではなくとも「産地」と「生産者」への理解を深めておくことが重要であることを理解できる書である。