「完本山口組三代目田岡一雄自伝」田岡一雄著
日本最大の任侠組織「山口組」を率いた3代目組長の自伝。
大正2年、徳島県の貧農の家に生まれた氏は、幼くして両親を亡くし、神戸に住む叔父に引き取られる。尋常小学校を卒業し、旋盤工として働き始めるが、上司を殴って仕事に行かなくなったときに同級生の山口に声をかけられる。山口組2代目山口登の弟である彼に誘われ、組が仕切る荷揚げ労務者の寄せ場に転がり込んだのが極道渡世への第一歩だった。破門された元組員を殺して服役した氏が、昭和18年に出所すると、組はわずか数人になっており、亡き2代目の遺言で3代目を襲名することに……。
世間に誤解されながらも任侠に生きたその人生を赤裸々につづる。
(徳間書店 1400円+税)