ヤクザ社会の虚実皮膜と芸能界
現在は引退した大物組長の手記が出版されて話題になっている。元山口組太田興業組長の太田守正著「血別 山口組百年の孤独」(サイゾー)だ。
著書の中では今年12月に結成100周年を迎える山口組の知られざる歴史や、現役時代の血で血を洗う激しい抗争の裏側、行動原理、そして山口組の5代目から6代目への“交代劇”など、ヤクザ社会の虚実が実体験をベースにつづられている。
昭和平成の裏社会の一端が垣間見えるが、中でも漫画や映画のモデルにもなり「ミナミの帝王」の異名で呼ばれた“金貸し”や許永中についての記述は現代社会の裏面史として非常に興味深い。また、古き良き時代の芸能人との交流についてもつづられていて、山城新伍や菅原文太との酒席でのエピソードなども紹介されている。
どこの世界も“真実”は映画や漫画のように劇的ではないことがよくわかる。