「イースター島を行く」野村哲也著
入植者が初めて島に上陸した浜辺に並ぶ「アフ・ナウナウ」の7体のうち4体の頭には、帽子のような赤色のプカオがのっている。プカオとは、神や王から霊力をもらうために髪を切ることを許されなかった高貴な人々が結っていたまげをかたどったもので、同様のモアイはここ以外に2体しかないという。
この「アフ・ナウナウ」のもうひとつの特徴は、全身に施された彫刻で、その美しさと精緻さは島でも有数だそうだ。
その他、初期のモアイ「アフ・アトゥレ・フキ」や、100メートルの台座に15体が並ぶ壮観な「アフ・トンガリキ」などを巡り、その歴史やエピソード、見どころを紹介。さらに、モアイが作られた採掘場「ラノ・ララク」や、かつて島の最高権力者選びとして行われた「鳥人儀礼」の舞台などを訪れ、古代ラパ・ヌイ人が築き上げた文明の一端に触れる。
しかし、一時は島民が111人にまで激減し、数々の文明や伝統行事が失われてしまった。そんな中、文化と誇りを取り戻そうと始まったのが「タパティ祭り」だ。選ばれた王女候補2人の家族や友人らがそれぞれ200人ほどの大競技団を結成して、36種もの競技を競い合い、ミス・ラパ・ヌイを決める2週間に及ぶその祭りの詳細もリポート。