「ビジュアル版 日本の妖怪百科」岩井宏實監修
古くから日本人に恐れられ、そして親しまれてきた妖怪たちを、各地に残る言い伝えや妖怪画とともに紹介するアートブック。
常に自然と向き合いながら暮らさなければならなかった先人たちは、自分たちの力ではどうにもならない自然の力に畏怖の念を抱き、自然が引き起こす不思議な出来事や現象を「妖怪」としてきた。時代が進み、そうした現象や出来事を科学的に説明できるようになっても、妖怪は人々の生活に溶け込み、親しまれてきた。昭和30年代から始まったブームは、「ゲゲゲの鬼太郎」などのヒットを経て、「妖怪ウォッチ」へと、媒体を変えながらも衰えることはない。
本書では、お馴染みの妖怪界のスターが続々と登場する。トップを飾るのは、日本の妖怪の代表ともいえる「鬼」だ。古代から物語や伝統芸能にもよく登場する鬼は、妖怪の中でも一番凶暴で恐ろしい姿をしていて、日本人の心の中に大きな位置を占めてきた。
平安時代の「日本霊異記」に登場する嫁を食べてしまう婿の姿をした鬼や「大江山の酒呑童子」など、さまざまな鬼の物語や伝承を紹介。