「2020年マンション大崩壊」牧野知弘著
団塊世代が後期高齢者の年齢に到達する2024年以降、彼らが所有する家が空き家となり社会問題化すると著者は予測する。中でも深刻なのは、マンションの空き住戸だという。東京の空き家約82万戸(2013年調査)の64%がマンションだそうだ。
マンション需要が急減する中、今も新築マンションは次々と建設され、老朽化したマンションの空き住戸率がさらに上昇することは目に見えている。相続権の拡散、管理費や修繕費積立金の滞納が発生し、やがてそうしたマンションはスラム化していく。
全国に600万戸、国内の住宅の1割を占めるマンションの空き住戸問題の現実を紹介しながら、その処方箋を説く。(文藝春秋 780円+税)