「たたかう植物」稲垣栄洋著
「弱肉強食」「適者生存」の自然界にあって、例外に見える植物たちも、実は激しい戦いを繰り広げているという。植物のそんな生き残り戦略に迫る面白テキスト。
まずは植物同士のバトルを観戦。戦いの中でも、熾烈を極めるのは光を巡る競合だという。朝顔などのつる植物は、いち早く上へと伸び空間を占有するために茎を頑強にする分の成長エネルギーを伸長成長に使っているのだとか。戦いは地下でも起きている。植物は根からさまざまな化学物質を出し、周りの植物にダメージを与え撃退している。セイタカアワダチソウなどはその典型だそうだ。その他、昆虫や動物などの捕食者との戦いから病原菌との攻防まで。その驚くべき生き残り術に驚嘆。
(筑摩書房 760円+税)