「繭と絆 富岡製糸場ものがたり」植松三十里著

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 新設の製糸工場の場長に就任した尾高惇忠は、富岡に単身赴任して、普請から立ち会っていた。ある日、自宅に戻った惇忠は、14歳の長女・勇に工女となるよう命じる。勇は、以前、志願したときは認めてくれなかった父親の心変わりに戸惑う。おまけに惇忠は、決まっていた勇の縁談も3年延期すると言い出す。いいなずけの清三郎に励まされ、父に連れられ富岡に赴いた勇だが、完成したばかりの製糸場には、同僚となるはずの工女は一人も見当たらない。国が雇ったお抱え外国人を恐れて、工女が集まっていなかったのだ。勇は、自分が工女集めに利用されることを知り、憤慨する。

 富岡製糸場興隆の基礎を築いた父娘の絆を描く長編小説。(文藝春秋 1600円+税)



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