「日本一サービスにうるさい街で、古すぎるキャバレーがなぜ愛され続けるのか」山崎征一郎著
老舗キャバレー、銀座「白ばら」の元店長がつづったエッセー集。
1931年に創業した同店の常連客には作家や俳優も名を連ね、二・二六事件の青年将校らも事件前日まで通ったという。在籍ホステスは200人以上。入り口に飾られた日本地図に全員の名札が出身地別にかかり、同郷のホステスを指名できる。18歳から同店で働き始めた氏は、社長の右腕としてオイルショックやバブル崩壊などいくつもの危機を乗り越えてきた。何十年も一線で指名を取り続けるベテランホステスの客への気配りや、繁盛店ではなく廃業間近の店に潜入視察に行き、つぶれる原因を探すという店改善のたゆまぬ努力など。その経営哲学におもてなしの心を学ぶ。(ダイヤモンド社 1400円+税)