「孤独病 寂しい日本人の正体」片田珠美著
精神科医が、現代人が抱える「孤独」について考察した論考集。
病理的なまでに孤独が深刻化すれば、それは病になると指摘。ライフスタイルの変化による地縁や血縁の希薄化や、社会の無菌化、そしてネットの出現による個人の匿名化など、現代人の孤独感を生み出す背景を分析。さらに、孤独や不安を埋めるためにゴミに執着するゴミ屋敷の住人や、SNSにあふれる自撮り写真などを話題にしながら、孤独が作られる心的メカニズムを解き明かす。一方で、同居する家族というもっとも親しいはずの存在によって孤独へと追いやられる人や引きこもりなど、現代人を悩ます孤独と寂しさの正体に迫りながら、その処方箋を提示する。
(集英社 700円+税)