「美しい鳥 ヘンテコな鳥」川上和人監修・執筆

公開日: 更新日:

 世界各地の美鳥・珍鳥を集めた写真集。

 表紙の鳥は、アフリカ南部に生息する「ミナミゴシキタイヨウチョウ」。紙面では分かりづらいかも知れないが、その名の通り、上半身はコバルトブルーとグリーン、胸は紫がかった濃いブルーのライン飾りを境目にして鮮やかな赤に切り替わり、羽は茶色、下半身は羽と同系色のピンクがかった茶色と、極彩色で着飾っている。さらに、それらの色全てがメタリックに輝いているのだ。この金属色は羽毛表面の光の反射によって生み出される「構造色」だそうだ。

 ため息をつきながらページを開くと、真っ白で丸いぽやぽやの羽毛の塊に黒い目と嘴がちょこんとついた「シロアジサシ」のヒナが何か言いたそうにこちらを見つめている。

 コピーのように添えられた紹介文のタイトル「威嚇しても可愛いだけだぞ」に、思わずにやりとしてしまう。

 空中停止する「ミドリフタオハチドリ」には「天然ドローン」、青い脚にひょうきん顔の「アオアシカツオドリ」には「目つきが悪くてスミマセン」、嘴がまさにの「ヘラサギ」には「しゃもじ美人」と、このコピーがなお一層、鳥たちに親近感を抱かせる。

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