「子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由」浅見実花著

公開日: 更新日:

 夫と1歳の双子とともに、家族4人で東京から英国に移住した著者は、異国の地での育児を初めて経験する。そこで見たのは日本とは全く異なる育児環境。本書は、さまざまな差異に直面した著者が、自らの体験から、今の時代に必要な育児や教育を考察した一冊だ。

 英国社会の特徴として挙げているのは「赤ん坊と妊婦双方のストレス緩和が前提にあること」「母親に母親らしさや自己犠牲を求めない姿勢」「離乳食や食事に対するプレッシャーのなさ」「子育てや介護によって仕事をすることが妨げられない環境」「子の自尊感情を育む教育」「あらゆる子の可能性を引き出す仕掛け」「多様性を許容し創造性を尊ぶ考え方」の7つ。

 母親の自己犠牲や同調圧力が当たり前の日本とは正反対の環境で、著者は渡英後、3人目を妊娠した際にも迷うことなく産んでいる。東京では大変だった育児が、なぜ英国ではお気楽になるのか、ひとりの母親の経験を通して日本の育児環境の過酷さが見えてくる。(祥伝社 1400円+税)



【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が