広告業界のトホホと世相が楽しめる超大作
「気まぐれコンセプト完全版35年分」ホイチョイ・プロダクションズ/小学館 2600円+税
1981年にビッグコミックスピリッツで連載開始された、広告代理店「シロクマ広告」を舞台とした4コマ漫画(1コマ漫画・やや長い漫画含む)である。基本的には業界や世相のトホホな面をコミカルに描き、「こんなバカなことがあるか?」と思わせるような珍奇な展開が続く。主人公は広告代理店の30歳ぐらいの社員・ヒライで「カブト自動車」などをクライアントとし、基本的にはエロくセコい男の視点で描かれている。本書はこの35年間の同作から選りすぐりの作品を選んだ984ページの超大作である。
記念すべき1981年の1つ目の漫画はエロ過ぎるので紹介しないとし、3つ目が「ジャイアント馬場・CM出演解禁」というネタである。馬場がタイガー・ジェット・シンにサーベルで乱打され、流血するとマットに血で「クルマはカブト」と書くオチだ。
最新の最後の漫画は、昨今のSNSで「いいね!」をもらいたい中毒の人を取り上げ、ドローンで奈良の大仏の顔を横から撮影した動画をアップしようとするも、誤ってぶつけてしまい大仏の頭が落下し逮捕される男を描く。