著者のコラム一覧
坂崎重盛編集者、エッセイスト

1942年、東京都生まれ。編集者、エッセイスト。千葉大学造園学科で造園学と風景計画を専攻。著書に、「東京煮込み横丁評判記」「『絵のある』岩波文庫への招待」「粋人粋筆探訪」など多数。BSジャパンの「酒とつまみと男と女」に出演し、不良隠居として人気に。

「トウガラシの世界史」山本紀夫著

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 もちろん、文献的な研究も怠りなく、旺盛な好奇心に突き動かされるかのように、この“香辛料のキング”トウガラシの発見から、日本を含む世界各地への伝播、また栽培化や品種改良の歴史などが、興味深い図版を示しながら語られる。

 日本にトウガラシが伝来したのは16世紀後半から末というが、日本人はあの赤い実の姿に親しみを感じたようで、江戸時代の俳句に「赤蜻蛉 羽をもぎれば 蕃椒」があるという。おや、あのフォークの「あのねのね」の歌は、これをパクリましたか!

 個人的にはひとつの謎が解けた。時々寄る神楽坂のイタリアン「A」のメニューに「ンドゥイヤ」なる奇妙なシロモノがある。正体もわからずにやたらとピリピリ辛いので面白がって食べていたのだが、これが南イタリアの代表的なトウガラシ入り腸詰めだったのである!(中央公論新社 860円+税)


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