「古代倭王の正体」小林惠子著

公開日: 更新日:

 記紀(古事記・日本書紀)と、中国や半島の史書を照らし合わせながら、邪馬台国、そして倭国の実像と興亡を明らかにしていく古代史概説書。

 中国の古い史料によると、紀元前11世紀には倭人といわれる民族が既に存在し、殷の滅亡と周の建国を知って朝貢してきたことが記されている。邪馬台国の所在地を奄美大島とする著者は、周の要求に応じ、倭人が特産の桑の木と蚕を献上したのではないかという。

 奄美大島では現在も大巫女をフミコと呼び、そのフミコが卑弥呼へ転化したと解説。エジプトの太陽神信仰と邪馬台国の関係や、安息国の大夏から南下した休氏とする天皇家のルーツなど。3000年をさかのぼり、周辺国と日本との関係を読み解いていく。(祥伝社 860円+税)


【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…