【18歳選挙権】若者世代は日本の政治を変えられるか?
「きみがもし選挙に行くならば」古川元久著
16歳の息子を持つ民進党議員が息子と交わす政治問答。10代の選挙権は世界では珍しくないが、日本では特に高齢化する一方の社会で若い世代の声を政治に反映するためにも望まれていた措置だ――といった話題から始めて民主主義の難しさや安保法制の問題点までが対話形式で語られる。ただし本書に登場する「息子」はあまりに優等生っぽくてリアリティーなし。ちょっと民進党のマニフェストみたい、とまでいうのは皮肉に過ぎるか。
最終章では30歳で大蔵省を辞めて出馬したときの思い出が語られて、むしろここが面白い。政治を志す気概を若者世代にどこまで“拡散”できるか。民進党の真価が問われる。(集英社 1300円+税)