「龍馬の家計簿」大村大次郎著

公開日: 更新日:

 浪人だった坂本龍馬が、私設海軍・海援隊設立の資金をどのように調達したのか。龍馬のそんな「懐具合」を追いながら、人生をたどる歴史読み物。

 龍馬が、脱藩時に持っていたのは親戚などから借金して集めた約20両。それは半年ほどの生活費にしかならない額だった。道が開けるのは福井藩主・松平春嶽との出会いから。勝海舟が設立した海軍塾の塾頭のような立場になった龍馬は、春嶽から1000両(5000両ともいわれている)もの支援金を引き出している。海軍塾仲間の生計を守るために龍馬が設立した亀山社中の内情や、妻のおりょうの経済感覚、そして死の1カ月前にも知人に金を無心していたという龍馬の虚実入り乱れる人生を金銭面から検証し、その真相に迫る。(河出書房新社 1300円+税)


【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」