“暴れん坊大統領”率いるフィリピン その可能性は?

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「フィリピン」井出穣治著

 今世紀に入ってめざましい経済成長路線を軌道に乗せたフィリピン。現地の政治経済状況に詳しい日銀マンである著者によれば、その秘訣はサービス業と個人消費が主軸となる独自の経済モデルの確立にあるという。

 90年代以降、グローバル化による人の流れが活発化し、英語を自由に操る国民の多いフィリピン人労働者は国内外にまたがって種々の分野で活躍するようになった。またIT化にも国策として熱心に取り組んだ結果、フィリピン国内にいながらアメリカの小売店のコールセンター業務を務めるなどの例が当たり前になったのだ。

 他方、最近話題のドゥテルテ政権については強権政治が国民の熱狂的な支持を得ている理由から、それがうまくいかなかったときに起こるであろうリスクの分析まで含めて詳しく解説している。長くアメリカの実質的支配下に置かれてきた国民のアイデンティティーの成り立ちもよく分かる。

 旅行者から学生、駐在員ら幅広い読者のニーズにこたえる好著。(中央公論新社 800円+税)

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