「魂でもいいから、そばにいて」奥野修司氏

公開日: 更新日:

「今回は家族物語だけに絞って収録しました。霊体験は怖いと思うかもしれませんが、怖がった人はひとりもいなかったし、聞いている僕も怖くありませんでした。どこかうれしそうに体験談を語る彼らを通して、霊体験というのは、亡くなった人との関係を紡ぎ直すことなんだな、と感じましたね」

 妻と1歳10カ月の次女を津波で失った男性は、津波を想定せず職場にとどまり、助けに行かなかったことを後悔していた。そんな男性の夢に、火葬した夜から2人が現れるようになる。夢から覚めても同じ映像が見え、「魂だ」と確信したという。

 その後も男性が欝々と悩んでいると、慰めるかのように2人が夢に現れては話しかけ、昨年の正月には「今は何もしてあげられないよ。でも信頼している」と。

 3歳の息子の思い出話をすると息子のおもちゃが勝手に動き出すという女性、役所で死亡届を書いていたら、亡くなった兄から「ありがとう」と書かれたメールが届いたという60代の女性など、本書には亡くなった人と“再会”したことで、生きる気力を取り戻した人々の姿がつづられている。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末