「魔法の介護」にやりほっと探検隊著
介護には「いのちの介護」「生活の介護」「文化の介護」の3段階があるという。多くの場合、食事や排泄の介助、あるいは買い物などに付き添うなど「いのちと生活の介護」に時間を取りがちだが、本当に満足した日々を送るには「文化の介護」が必要だという。文化の介護とは、その人が得意なこと、いわば好きなことを続けさせるための手助けだ。
グループホームに入居する認知症の92歳の女性は、夜になると「明朝のお米はといだかしら」と心配するのがお決まりだった。あるとき女性に米をといでもらうと、普段は見せない笑顔が出た。以来、「役割」として米とぎをしてもらったところ、食材カットから調理、盛り付けまで出来るようになり、周囲と積極的に交流を持つまでになったという。
現場を改善しようと長谷工シニアホールディングスのスタッフが始めたプロジェクト「にやりほっと探検隊」の取り組みを紹介。(ポプラ社 1400円+税)