「『意識高い系』の研究」古谷経衡著
「意識高い系」と呼ばれる若者たちの素顔を分析した現代若者論。
彼らはよく「リア充」と混同されるが、実は似て非なる存在であると指摘。リア充とは、土地に土着した人間関係を構築し、その土地は親族から提供(同居や相続)された人や状態と定義。一方の意識高い系は大都市部の非定住民=よそ者で、それがゆえにゼロからの人間関係構築を余儀なくされる。よって彼らは、リア充に対し猛烈な憧れを抱き、豊富な人脈と洗練された都市的ライフスタイルを見せびらかし、ひけらかそうと躍起になるという。意識高い系誕生の背景にあるスクールカースト問題に踏み込む一方、愛国女子やノマドワーカーなど、意識高い系の人々の実態とその心理を解き明かす。(文藝春秋 830円+税)