「悩める日本人「人生案内」に見る現代社会の姿」山田昌弘著
新聞紙上で「人生案内」の回答を務める著者は、近年の相談内容を通して、現在は「モデルなき時代になった」ことを痛感するという。
そのひとつがSNSに関する相談だ。40代の主婦の父が亡くなった。そのとき、夫がSNSに悪気なく「合掌。義父急逝」と投稿したのはルール違反ではと問いかける。本来、葬式では笑わないなど社会ルールがあるものだが、SNSにおいては何が良くて何がダメなのかのモデル(ルール)が存在せず、その結果がどうなるかというモデルもないために起きた出来事と著者は分析する。
ほかにも高齢者の恋愛、妻の不倫、LGBTの就活などの相談が浮き彫りにするモデルなき時代を生き抜く秘訣を提言する。
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