「漱石ゴシップ完全版」長尾剛著

公開日: 更新日:

 今年、生誕150年を迎えた夏目漱石の作品とその知られざる素顔を読み解く文豪読本。

 俳人・高浜虚子に頼まれ、彼が主宰する朗読会のために書いたという処女作「吾輩は猫である」。原稿を渡す折、漱石は渋る虚子に朗読をさせ、自分の小説に熱心に聞き入ったという。「ホトトギス」で連載が始まり「坊っちゃん」と同時掲載になると、虚子は相場をはるかに超える高値に雑誌を値上げして、荒稼ぎしたそうだ。

 また、全作品中唯一女性のヌードが出てくる「草枕」の一場面を紹介しながら、ヌード好きだったというその意外な一面や、「こころ」の章で考察する漱石の皇室観まで。複雑な生い立ちなどにも触れ、多くのエピソードでその作品と人柄を語る。

 (朝日新聞出版 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動