「明智小五郎回顧談」平山雄一著

公開日: 更新日:

 著者は現役の歯科医師にして、江戸川乱歩研究の第一人者という肩書を持つ。そもそも明智小五郎の年代学に興味を持ち、私家版を発表したのが1989年のこと。それから、「明智小五郎読本」「明智小五郎事件簿」の企画に参加、それが縁で10年以上書きためていた本書が日の目を見ることになる。

 この小説の特徴はたくさんの実在の人物、小説の人物が登場することにある。著者いわく、「時代背景を示唆する」ためだそうだが、フルネームは提示しない。読者に謎かけをしているのだ。

 物語は明智の父親が誰か、一高・帝大時代の暮らしぶり、乱歩との邂逅、二十面相との秘められた関係など明智小五郎の謎めいた生涯を名探偵自身が独白していく。(集英社 2200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出