「一度は読んでおきたい現代の名短篇」湯川豊著

公開日: 更新日:

「読む愉しみ」が満喫できる短編小説を厳選して紹介する文学ガイド。

 まず取り上げられるのは、文章に全く無駄がなく、「短編の鑑」と称賛する松本清張の「張込み」。何度か映像化もされて、張り込みをする刑事の緊張感を主体にした推理小説と思われがちだが、この作品はそういうものではないという。殺人犯を追う刑事が、現在は年上の夫と継子と暮らす犯人の元恋人の家を張り込むというストーリーを紹介しながら、作者は主人公の若い刑事がその女を見る視線を通して、人間が背負っている悲しみを描いていると解説する。その他、2人にしか見えない駅のホームの柱に生えるキノコを通して若い女性とヤクザの心の交流を描く三浦しをん著「柱の実り」など、44編を案内。

(小学館 860円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出