「遠く空は晴れても」北方謙三著
6年前、若月が故郷に戻ると海辺の村は高級リゾートに生まれ変わっていた。ツアー会社を営むことになった若月は、なぜかトラブルに引き寄せられるようにしか生きられず、顔見知りの小説家・群に「ソルティ」というあだ名をつけられる。ある日、大橋家の葬儀に参列した若月は、不穏な空気をまとった一人の男に目がとまる。翌日、川辺と名乗るその男は、若月の会社の船をチャーター。川辺は、若月の忠告を無視して、個人所有の姫島に着岸するよう命じる。案の定、島のオーナーのボディーガードに上陸を拒まれる。川辺が街に現れた理由を探る若月は、暴力団の芳林会内部で分裂騒動が起きていることを知る。
名作ハードボイルドシリーズが25年ぶりに復刻。
(角川春樹事務所 620円+税)