「全国マン・チン分布考」松本修著
女陰・男根語をテーマにした面白リポート。
1990年代初め、全市町村の教育委員会へのアンケートで、女陰・男根語に関する語彙(ごい)と文法の方言を調査。その結果、京を中心にきれいな多重の円を描く「周圏分布」をしていることが分かった。つまり、方言の多くは、地方で独自に生じたものではなく、京の都のはるか昔の遺風を受け継いでいるのだという。
17世紀初め、ポルトガル人宣教師が作った「日葡辞書」には「ボボ」「ツビ」「ソソ」「ヘヘ」の4語の女陰語が掲載されている。まずはこれらの女陰語が、いつ頃から使われるようになり、そして現代の「オマ×コ」へと変化していったのかを膨大な史料を提示しながら解説するなど、大真面目でアソコの呼称について論じる。
(集英社インターナショナル 1100円+税)