勃起障害で心血管疾患が65%増!?
「近頃めっきりアソコの勃ちが悪くなった……」。こんなとき、中高年期を迎えた日本人男性は、“トシだから仕方がない”と受け入れてしまう。しかし、これが寿命を左右する可能性もあるとしたら、あっさりと諦めてはいられないはずだ。
小堀善友著「オトコの『性』活習慣病」(中央公論新社 800円+税)では、臨床経験豊富な泌尿器科医が、男性性機能障害の最新情報を徹底解説している。
勃起障害に関する日本人の有病患者数は、時々勃たなくなる中等度EDが870万人、完全EDが260万人といわれている。EDは加齢とともに増加するため“トシのせい”というのは間違いではないが、その背景には動脈硬化が隠れている場合も多い。
ペニスの動脈の太さは1~2ミリで、心臓の半分以下と非常に細い。つまり、動脈硬化の影響を受けやすく、血流が阻害されることで海綿体に血液が流れ込みにくくなり、勃起が困難になるわけだ。勃起障害のある男性とない男性を比較すると、10年以内に前者が心血管疾患を患うリスクは後者より65%増、脳血管疾患では43%増というデータもある。勃起障害は重篤な血管系疾患の前兆現象でもあり、寿命に“イエローカード”が出された状態だと本書は警告する。